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​スペシャルティコーヒーとは

珈琲はとても身近な存在です。近所のスーパーに行けば手軽に珈琲豆やインスタント珈琲が買え、またどこにでもあるコンビニエンスストアで淹れたての珈琲が飲めます。しかしその背景には長い歴史があり、また様々な国や企業が複雑に絡んでいることはあまり知られていません。

珈琲の歴史は西暦500頃にエチオピアに住むガラ族が食用としたのを始まりとして、アラブ世界における普及、ヨーロッパへの伝来、植民地政策と奴隷制度による拡大へと続きます。そして工業化の時代に入り、一大消費国であるアメリカにおいて大量生産大量消費という経済の高度成長期の風に押されて、珈琲生産もまた生産量と低価格を追求しました。その結果として品質の劣化は避けられず、味の低下による消費者離れが起きました。また珈琲豆生産労働者と農地は低賃金労働やコスト削減により疲弊荒廃しました。

そのような背景の中で本来の姿である美味しい珈琲を求めた小規模の焙煎業者と消費者により、1970年代からスペシャルティコーヒーという名のものに流通主体の異なる新たなコーヒーが徐々に拡大し始めました。

 

また珈琲の複雑な流通経路の中で利益配分の多くが多国籍企業に回り、最貧国にある珈琲農家では珈琲価格が下がれば満足に食事も得られないほど富の分配が不平等であることに消費者が気付き始め、不買などの社会運動が生まれます。そして第三者の手により認証を受けた生産者にも自然環境にも公平で持続性のあるサスティナブル・コーヒーが生まれ、消費者が商品の選択を通して自らの手で珈琲市場に影響を与えることができるようになりました。珈琲は倫理的な消費者運動の先駆けとなります。スペシャルティコーヒー、フェア・トレード・コーヒー、シェード・コーヒー、バードフレンド・コーヒー、有機コーヒーなどと呼ばれているそれぞれはお互いに重複しあう目的を持っており、それぞれの普及がまた他を推進しあっています。

スペシャルティコーヒーは審査員により風味の評価(カップリング)が行われて、より優れているものに高値がつけられます。それにより得られた利益は生産農家から始まる全流通過程で健全な持続性が保たれるよう適切に分配されることが、必然的に求められています。協会はアメリカ、ヨーロッパ、南アフリカなどの各国にそれぞれ設立され、日本においては日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が活動しております。

以下にSCAJか定めたスペシャルティコーヒーの定義を抜粋します。

 消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。

 風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。

 カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup)

 具体的には、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。

 そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。

 さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。

 日本スペシャルティコーヒー協会は、生産国から消費国にいたるコーヒー産業全体の永続的発展に寄与するものとし、スペシャルティコーヒーの要件として、サステナビリティとトレイサビリティの観念は重要なものと考える。

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