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アウトドア珈琲 Vol. 15

小浜市田烏にある棚田で珈琲を淹れる。


この棚田は青い内海の向こうに見える田烏の集落の、湾をはさんだ真向かいに位置しており、山間には家はなく田ばかりで、農作業の音と虫と波の音だけが聞こえる静かな場所だ。百枚ほどの棚田が海と森に囲まれている。


この棚田で友達のにしやんはライブを二回もしたと言っていたのだが、ぜひ行ってみたいと思っていたのが今日叶った。にしやんのベースの音は聞こえないが、岩礁に打ち付ける波の音を背景にして、刈り取り終わった田に秋の虫が鳴いている。トンボが飛ぶ音も。


向かいの集落にある小さな漁港に移動して、いまが旬のアオリイカを狙ってルアーを投げてみる。ルアーはエギというイカ専用で、漁師が使っている餌木というイカ釣りの仕掛けを模して作ったらしい。海老とも言えない魚とも言えない両者のキメラなのだが、この存在しないはずの生命体はイカにとってはたまらないご馳走に見えるのか。釣れなかったが夕焼けが美しい。海に沈む夕日を釣りに来たのだな、我は。




©2019 by 山田龍太珈琲

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