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Kennewickman-28


2012年4月15日。


そこには全幅2.2キロメートルにもなる巨大なマクナリダムが横たわっていた。そのあまりの大きさにスケール感が麻痺してしまう。そばに寄らなければその大きさはよく分からないし、そばに寄ったところで全体像が見えずその大きさはよく分からない。1954年に人間はこれを作り上げたのだという。


巨大なダムから放水された大量の雪解け水は、轟音と水煙をあげながら落下して、ダム下流では岩礁に打ち付けられて荒れ狂う嵐の海のごとく激しい波が入り乱れていた。今年の積雪量は多く、雪解けの水量は昨年の倍はあるとのことであった。


パナマ運河のように水位を調整して船を上げたり下げたりするエレベーターのことをロックゲートと呼ぶが、ダムを船が通過できるように、長さ200メートルもある船すら入ることができる巨大なロックゲートが右岸側に設置されている。しかしフィルが先日ダムの事務所に問い合わせてくれたところ、エンジンがついていない船舶は、すなわちカヤックも含んで、水を抜く時の渦に巻き込まれる可能性があり危険なので通過させてくれないとのことだった。


自然は創意工夫次第で挑むものを受け入れる余地を見せてくれるが、人間が創造した巨大な建造物はカヤックなど冷徹に拒絶する。川幅一杯2キロに渡って横たわるコンクリートと鉄から造られたダムは、自然と人智の異様なコントラストを際立たせていた。

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